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2016 年度 実施状況報告書

インピーダンス法を用いた肝脂肪率の新規評価手法

研究課題

研究課題/領域番号 16K19900
研究機関長崎大学

研究代表者

原 貴信  長崎大学, 病院(医学系), 助教 (40770441)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードインピーダンス / 脂肪肝
研究実績の概要

平成28年度は研究計画の通り、1.肝インピーダンス測定手法の確立、2.肝切除標本を用いた肝インピーダンス値と脂肪率との解析を行った。これまでに15例の肝摘出標本を用いてインピーダンス値(Bioelectrical Inpedance, BI)の測定を行い、うち11例については肝組織内の実脂肪量および組織学的所見の評価をもとに算出した脂肪率との解析を終えた。インピーダンス値は2, 5, 20, 50, 100 kHzでそれぞれ測定し、さらに脂肪測定時にしばしば用いられる50 kHz-100 kHz, 50 kHz/100 kHzの値を追加パラメーターとして実脂肪量と病理学的所見との相関を検討した。これらのパラメーターの中では100 kHzの値が最も相関係数が高い傾向にあった。
100 kHzのBIは個体により96.6から201.6Ωと様々で、測定した肝コレステロール値は3.0±0.2 mg/g、肝中性脂肪は20.9±11.9 mgであった。BIと肝コレステロール値(相関係数r=0.7)、BIと肝中性脂肪(r=0.7)、BIと病理組織学的脂肪率(r=0.7)に相関を認め、また肝コレステロールと病理組織学的所見(r=0.7)、肝中性脂肪と病理組織学的所見(r=0.9)にもそれぞれ相関を認めた。
これまでの研究でBIが肝脂肪量及び病理組織学的所見と相関することが明らかとなった。現在の問題点として脂肪肝症例の数が少ないことがあげられ、引き続き症例の蓄積が必要である。次年度は機器を改良し、計画通りin situでの測定を施行する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

症例数が初年度目標の20例には達していない(現在15例)が、インピーダンス値の測定および肝組織からの脂肪の抽出・測定は計画通り行われており、結果が得られているので。

今後の研究の推進方策

脂肪肝症例の数が少ないため、蓄積したデータに偏りがみられる。このため、症例数を引き続き蓄積していく必要がある。
今後は機器を改良することでin situでの測定を可能にし、計画通りにインピーダンス値の測定および解析を継続する予定である。

次年度使用額が生じた理由

当初計画ではインピーダンス測定機器の購入費、部品開発費を計上していたが、本年度は試作品の使用により実験を行い、部品の開発を行わなかったことから次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

インピーダンス測定機器の部品開発に加え、測定機器本体の購入が必要となると見込まれることから、次年度使用額を以て充填する計画である。

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公開日: 2018-01-16  

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