研究課題/領域番号 |
16K19900
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
原 貴信 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 研究協力員 (40770441)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | インピーダンス / 脂肪肝 |
研究実績の概要 |
平成29年度前半は平成28年の研究計画から引き続き、1.肝インピーダンス測定手法の確立、2.肝切除標本を用いた肝インピーダンス値と脂肪率との解析を行った。16例の肝摘出標本を用いてインピーダンス値(Bioelectrical Inpedance, BI)の測定を行い、100 kHzのインピーダンス値が病理組織学的脂肪率との相関係数が最も高いことを明らかにした。さらにBIと肝中性脂肪との間にも相関を認めた。本結果はThe Joint Congress of the 6th A-PHPBA 2017 & the 29th Meeting of JSHPBS(2017/6/7-9)にて発表した。一方、問題点として脂肪肝症例が少ないことに加え、温阻血時間の延長による細胞傷害の影響が考えられた。これらを解決するため実験動物を用いて多段階の脂肪肝モデルを作成し、in situでの測定および摘出肝を用いた測定を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ラット脂肪肝モデルを用い、脂肪肝の程度に応じてインピーダンス値に変化がみられるかを解明するべく基礎実験を行うも脂肪肝モデルの作成方法、脂肪肝の程度が安定せず十分なデータを得られていない。
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今後の研究の推進方策 |
ヒト検体では脂肪肝症例の数が少ないため、蓄積したデータに偏りがみられることは明らかであり、早期に脂肪肝モデルを作成する必要がある。in situでのインピーダンス値の測定および解析を継続する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画ではインピーダンス測定機器の部品開発費を計上していたが、試作品の使用により実験を行い、部品の開発を行わなかったこと、また実験用器具や実験動物の購入費用が当初計画を下回ったことから次年度使用額が生じた。繰り越した経費は必要な試薬、実験動物の購入に充てる予定である。
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