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2016 年度 実施状況報告書

新規臓器保存液を用いたラット肝臓保存効果の検討について

研究課題

研究課題/領域番号 16K19908
研究機関国立研究開発法人国立成育医療研究センター

研究代表者

重田 孝信  国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 臓器・運動器病態外科部, 医師 (60560331)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード肝移植 / 保存液 / 虚血再灌流障害
研究実績の概要

心停止ドナーを始めとするマージナルドナーに頼らざるを得ない現状において、移植臓器の品質向上に寄与する虚血再灌流障害を軽減する臓器保存液が望まれている。我々は従来のUniversity of Wisconsin solution(UW 液)、Histidine Tryptophan Ketoglutarate solution(HTK 液)等に代わる日本発の新たな臓器保存液として、心移植モデルで実証したSS-Ⅱを用い、ラット肝移植モデルでの有効性を検証した。
本年度は、まず、ラット同所性肝移植モデルを樹立した上、6時間冷保存(HTK液 vs SS-Ⅱ)、再灌流後3時間採血において肝逸脱酵素の平均値を比較したところ、AST (395 vs 396), ALT (297 vs 368), LDH (1118 vs 867)となり、いずれも有意差は認めなかった。一方、12時間保存においては、再灌流後3時間後、 (UW液 vs SS-Ⅱ)、AST (952 vs 2370), ALT (1232 vs 3520), LDH (7400 vs 22480)となり、SS-Ⅱ群で有意に肝障害を認められた。また、SS-Ⅱ保存液で行った症例において、胆汁産生不良、ドナー経大動脈灌流時の肝表面、またレシピエント再灌流時の肝表面の所見は灌流不良・障害と考える肉眼的所見を認め、採血データに一致する所見と考察する。
以上より、肝移植モデルにおけるSS-Ⅱ保存液を用いた12時間保存の有効性は得られなかった。これは、 心臓保存を目的として開発されたSS-Ⅱ保存液中に、コロイドの成分が存在しないによる膠質浸透圧低値であることが原因と推察された。来年度引き続き、肝臓保存に適した成分の調整を検討して、その効果を検証したい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

肝移植モデルにおけるSS-Ⅱ保存液を用いた12時間保存の有効性は得られなかった。これは、 心臓保存を目的として開発されたSS-Ⅱ保存液中に、コロイドの成分が存在しないによる膠質浸透圧低値であることが原因と推察された。

今後の研究の推進方策

肝臓保存に適したコロイドの成分の追加等調整を検討して、SS-Ⅱ保存液の効果を検証したい。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (6件)

  • [学会発表] 当院における小児肝移植後胆道合併症の対策2016

    • 著者名/発表者名
      重田孝信
    • 学会等名
      第33回近畿肝移植検討会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2016-12-10
  • [学会発表] Surginal intervention for hepatoblastoma:single center experience.2016

    • 著者名/発表者名
      Shigeta T
    • 学会等名
      Asian Transplantation Week
    • 発表場所
      Korea
    • 年月日
      2016-10-29
  • [学会発表] 当院における胆道閉鎖症に対する小児生体肝移植後、成長に関与する因子の検討2016

    • 著者名/発表者名
      重田孝信
    • 学会等名
      第52回日本移植学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2016-10-10
  • [学会発表] γGTP値が正常である小児胆汁鬱滞性肝疾患症例に対する肝移植の経験2016

    • 著者名/発表者名
      重田孝信
    • 学会等名
      第33回日本小児肝移植研究会
    • 発表場所
      岐阜
    • 年月日
      2016-07-02
  • [学会発表] Hepatic vein(HV)reconstruction in living donoe liver re-transplantation with recurrent HV stenosis and indwelling HV stent:how to make HV anastomosis.2016

    • 著者名/発表者名
      Shigeta T
    • 学会等名
      ILTS 22nd Annual International Congress
    • 発表場所
      Korea
    • 年月日
      2016-05-04
  • [学会発表] Pediatric living donor domino liver transplantation using explanted donor livers from maple syrup disease patients.2016

    • 著者名/発表者名
      Shigeta T
    • 学会等名
      TTA Asian Regional Meeting
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2016-04-09

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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