研究成果の概要 |
膵癌神経浸潤でのFbxw7と基質の蓄積による影響を解明すべく実験を行った. しかし,膵癌病理検体Fbxw7 発現低下と病理学的因子の関連はなく,細胞株では基質の蓄積を確認できなかった.上記より,方針の転換を行い,胆道癌におけるFbxw7の発現と臨床病理学的な因子の関連,予後の解析を施行した.胆管癌組織の免疫組織化学でFBXW7低下は予後不良因子であった.NOTCH1とMCL1が胆管癌におけるFBXW7の基質として同定され,FBXW7の 発現低下が予後不良因子で,FBXW7の発現を抑制するとNOTCH1やMCL1が蓄積し.胆管癌の悪性度を促進する分子メカニズムを解明した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵癌神経浸潤でのFbxw7と基質の蓄積による影響を解明すべく実験を行ったが,膵癌病理検体Fbxw7 発現低下と病理学的因子の関連はなく,細胞株では基質の蓄積を確認できなかった.そのため、Fbxw7に変異を有する胆道癌で研究を行った. 胆道癌においてFbxw7の発現低下は臨床病理学的予後が不良であることを初めて確認した.また,それらのメカニズムとしてNotch1とMcl-1の蓄積の関与を明らかにした. 胆道癌において Fbxw7 と基質タンパク質の分子メカニズムを明らかにし、それらを標的とする新規治療を確立することは個別化治療へと繋がる研究であり,更なる治療成績向上への第一歩となると考えられる.
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