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2016 年度 実施状況報告書

エクソソームのmiRNA運搬能を応用した膵癌に対する腫瘍特異的新規治療の確立

研究課題

研究課題/領域番号 16K19915
研究機関千葉大学

研究代表者

野島 広之  千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (10507320)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードエクソソーム / 膵癌
研究実績の概要

膵癌でのエクソソーム内のmiRNA発現異常を評価するために、まずPanc-1、MIA PaCa-2、BxPC-3、CFPAC-1、AsPC-1の各膵癌細胞株と正常膵上皮細胞株であるHPDE細胞をExosome-Depleted FBSを添加した培養液を用いて48時間培養、抽出した培養液から、超遠心分離法にてエクソソームを分離した。同様に膵癌手術を行った患者の血清から、超遠心分離法にてエクソソームを分離した。エクソソームが分離できているかを、エクソソームの代表的なマーカーであるCD63抗体によるウェスタンブロットを行うと、BxPC-3、CFPAC-1、Panc-1の膵癌細胞株では発現を認めたのに対し、MIA PaCa-2、AsPC-1の膵癌細胞株では発現が減弱していた。正常細胞株においてはCD63抗体によるウェスタンブロットを行ったが、発現を認めなかった。膵癌手術を行った患者の血清でも同様にCD63抗体によるウェスタンブロットにて発現を確認した。電子顕微鏡にてサイズを測定すると、膵癌細胞株であるPanc-1から抽出したエクソソームの平均値は168.5nm、膵癌手術を行った患者の血清から抽出したエクソソームの平均値は180.2nmであった。膵癌細胞株であるPanc-1、健常者の血清、膵癌患者の血清からそれぞれ抽出したエクソソームからRNAを抽出し、バイオアナライザーにてRNAを解析すると、Preliminary dataで示した図と同様、細胞由来のリボソームRNAの発現を認めず、エクソソーム由来のRNAであることを確認した。以上の結果により、膵癌細胞株では、各細胞株によってエクソソームの分泌が異なることが示唆された。また、膵癌患者血清、健常者血清、膵癌細胞株からエクソソーム由来のRNAを同定した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

各種膵癌細胞株によってエクソソームの分泌が異なるため、超遠心分離法によるエクソソームの安定した抽出を行うのに非常に時間を要した。膵癌患者血清、健常者血清、膵癌細胞株からエクソソーム由来のRNA抽出を確認したので、次のステップとして、miRNAの抽出、マイクロアレイ法を用いた網羅的解析にて各種エクソソーム由来のmiRNAを評価する。

今後の研究の推進方策

本年度で確立させた膵癌患者血清、健常者血清、膵癌細胞株から分離したエクソソーム由来のRNAからのmiRNAの抽出、マイクロアレイ法を用いた網羅的解析を行う。解析により同定された癌で低発現のmiRNAを含んだエクソソームの中で、標的膵癌細胞増殖・浸潤能を制御しているエクソソームを検出する。In vivoで、このmiRNAを含んだエクソソーム投与による腫瘍増大抑制、腫瘍特異的抗体で標識したエクソソーム投与による腫瘍選択性への効果増強の評価を行う。また、膵癌患者の血清由来のエクソソーム内での癌細胞増殖、進展制御しているmiRNA発現低下を認めた場合に予後との関連を検討する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Chemokine Receptors, CXCR1 and CXCR2, Differentially Regulate Exosome Release in Hepatocytes2016

    • 著者名/発表者名
      Nojima H, Konishi T, Freeman CM, Schuster RM, Japtok L, Kleuser B, Edwards MJ, Gulbins E1, Lentsch AB
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 11 ページ: e0161443

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0161443

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Chemokine receptors, CXCR1 and CXCR2, differentially regulate exosome release in hepatocytes2016

    • 著者名/発表者名
      HIROYUKI NOJIMA
    • 学会等名
      AASLD
    • 発表場所
      Boston, USA
    • 年月日
      2016-11-11 – 2016-11-11
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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