本研究はKRAS遺伝子変異による大腸癌の代謝変化に着目し新規治療の開発を目的とする。大腸癌細胞株をもちいたメタボローム解析により、KRAS遺伝子変異はアミノ酸代謝変化、とくにグルタミン-アスパラギン酸代謝と関連することがわかり、アスパラギン合成酵素(ASNS)およびアミノ酸・トランスポーターであるASCT2(SLC1A5)の2つが治療ターゲットとして見いだされた。代謝阻害剤を用いた検討から、ASNSの発現を抑制するmTOR阻害剤(Rapamycin)と血清のアスパラギンを阻害するL-Asparaginaseの併用療法は新規治療法になり得る可能性が示唆された。
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