研究実績の概要 |
大腸癌手術症例の非癌部腸管において、CD13によるCD14-CD11clow細胞の細分化を行った。20歳以上のIBDを合併していない腸管切除を行う症例(大腸癌、良性腫瘍など)より切除された標本のうち非癌部(約4×10センチメートル)を切除腸管から採取した。EDTAにより腸管上皮細胞を除去した後に腸管を洗浄後、筋層、漿膜を除去することで粘膜層のみし、コラゲナーゼ、ディスパーゼにより腸管粘膜の細胞を単離し、Percollを用いて赤血球および死細胞を除去した。採取細胞を表面抗原マーカー(lineage marker(CD3, CD16,CD19,CD20,CD56), CD11c, CD13, HLA-DR)で染色した上で、FACSにより展開し、Lin-HLA-DR+CD11clowCD14+ (CD14+MΦ)、Lin-HLA-DR+CD11clowCD14-CD13+(CD14-MΦ)をsortingした。 Lin-HLADR+細胞に占めるCD14-MΦとCD14+MΦのpopulationはそれぞれ約30%および10%であり、CD14-MΦの方が多い結果であった。これらの細胞をMay-Giemsa染色をしたところ、CD14+MΦおよびCD14-MΦともに形態学的には内部に小胞を有するN/C比が比較的大きい細胞であり、両者ともに貪食能を持っていることが示唆された。また、sortingした細胞のcDNAライブラリを作成した。
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