ヒト胃癌細胞MKN45において、PROX1の発現を確認し、siRNAを用いてPROX1を抑制する系を確立させた。PROX1を抑制した胃癌細胞では、細胞の形態に異常は認めなかったが、浸潤能・増殖能・遊走能ともに低下していた。臨床研究においても胃癌に対し根治手術を施行した99例をPROX1で免疫染色を行い、強陽性群(n=43)と弱陽性群(n=56)に分類し、後方視的に検討し予後の解析を行った。PROX1強陽性群では弱陽性群に比べて、リンパ節転移・癌進行度・脈管浸潤の有無に有意差をもって高かった。また、生存期間の分析では生存率、無再発生存期間において、強陽性群で有意に低い傾向であった。
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