食道癌細胞株に対し、糖の取り込みを行うGLUT1の発現を抑制したところ、20-70%の増殖抑制を認めた。その機序は、食道癌の悪性度に関係する遺伝子(CDK6)の発現低下、細胞周期を調節する遺伝子(p21、p27)の発現上昇であった。GLUT1の発現抑制後、PKM2遺伝子の発現低下、抗癌剤耐性に関与するLDHAの発現低下を認め、PPPAGの発現は上昇した。GLUT1発現抑制によりCDDPの感受性が向上した。新規GLUT1阻害剤は低濃度にて強力な抗腫瘍効果を示し、抗癌剤(CDDP)との併用にて相加効果を示した。
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