研究課題
正常食道粘膜細胞株(HET-1A)と Barret食道細胞株(CP-A、CP-B)、食道腺癌細胞株(JHESO、OACP、SK-4、BE3、OE33、Flo-1)のLINE-1メチル化レベルを、Bisulfite-Pyrosequencing法により測定した。Barret食道細胞株のLINE-1メチル化レベルは正常細胞株と比較して有意に低下していることを明らかにした。組織学的に、食道腺癌が組織の半数以上含まれていることを確認した後にDNA、RNAの抽出を治療前生検凍結組織より食道腺癌部178例、正常部52例、Barrett食道77例の症例でおこなった。抽出されたDNA よBisulfite-Pyrosequencing法によりLINE-1メチル化レベルを測定した。癌部のLINE-1メチル化レベルは正常部、Barrett食道と比較して有意に低下していることを明らかにした。更に、LINE-1低メチル化レベルの症例の予後は高メチル化レベルの症例と比較して有意に予後が不良であることがわかった。150例以上の症例数での検討で、当初の仮説であったLINE-1の低メチル化レベルは食道腺癌の悪性度と関係することを証明できた。現在、臨床検体からのDNA抽出を継続しており、検討症例数を増やす予定である。また、並行してLINE-1低メチル化がなぜ食道腺癌の悪性度に寄与するのかに焦点をおいて研究を進めている。良好な結果が得られており、平成30年度内にデータをまとめ、論文を投稿する予定である。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
Oncotarget
巻: 9 ページ: 20795-20806
10.18632/oncotarget.25124
Surg Today
巻: 47(12) ページ: 1450-1459
10.1007/s00595-017-1539-1