研究課題
特定の器官の細胞を三次元的に培養した立体組織であるオルガノイドの作成が多く報告されている。生検組織から三次元的培養後オルガノイドを作成し、同オルガノイドを用い薬剤感受性試験を行うことで、個別化治療に寄与させることが本研究のメインテーマであった。当初の対象癌細胞であった膵臓癌検体は、治療前検体は内視鏡下穿刺でしか採取できないことや、手術後検体では術前化学放射線療法による修飾が加わっている可能性高く、生検検体が比較的入手しやすい食道扁平上皮癌細胞(ESCC)を用いてオルガノイド作成を試みた。培養方法としては、未治療の進行食道扁平上皮癌患者において内視鏡下に腫瘍部より組織を採取し,酵素処理などにて腫瘍を細断化後マトリゲルと包埋し、EGF、Noggin、Rspondinなど各種増殖因子を入れた培養液とともに培養することで、世界初のオルガノイド作成を成功させる事が出来た。形成できたオルガノイドは症例によって異なる性質を示し、化学療法耐性性についても実臨床での奏功度と、オルガノイドの奏功度が一致していたことを報告することが出来た(Kijima T et al, Three-Dimensional Organoids Reveal Therapy Resistance of Esophageal and Oropharyngeal Squamous Cell Carcinoma Cells. Cell Mol Gastroenterol Hepatol. 2018 Sep 14;7(1):73-91)。
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