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2016 年度 実施状況報告書

浸潤規定遺伝子を用いた新規膵癌ペプチドワクチン療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K19950
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

清水 敦史  和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (00637910)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードMUC16 / Mesothelin / 癌ペプチドワクチン
研究実績の概要

われわれは膵癌の浸潤部とPanIN-3部のマイクロアレイデータを比較するといった新しい独自の手法で、極めて純粋な膵癌の浸潤規定遺伝子を同定し、その中でも浸潤癌で最も高発現したMUC16とMesothelinはその相互作用により膵癌の浸潤転移機構に極めて大きな役割を担っていることを解明してきた。(Cancer Sci. 2012)現在膵癌に対する高い治療効果が期待できるMUC16とMesothelinを標的とした新規癌ペプチドワクチン療法の開発を行い、早期に臨床試験を展開することを目指している。平成28年度は新規癌抗原としてのMUC16およびMesothelinに対するエピトープペプチドの同定に関する研究として以下の行ってきた。1)健常人由来の末梢単核球(PBMC)を用いた細胞障害性Tリンパ球(CTL)の誘導 HLA-A2402陽性の健常ボランティア末梢血よりPBMCを分離培養し、樹状細胞を誘導後ペプチドパルスを行いCTLを誘導した。
2)CTL拡大培養、CTLライン樹立とクローニング 誘導したCTLを拡大培養し、限界希釈法にてクローニングを行っている。
3)CTLクローンによるCell lineに対する細胞傷害活性の確認 引き続いて膵癌細胞株に対する細胞障害活性の確認へと移行する。
これら1)~3)の研究により、MUC16およびMesothelinを発現する癌細胞に対して特異的なCTLを誘導して傷害するエピトープペプチドが同定されれば、これを用いた膵癌ペプチドワクチン療法薬が作成できると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度の研究はMUC16およびMesothelinを発現する癌細胞に対して特異的なCTLを誘導して傷害するエピトープペプチドが同定することが目的である。現在ELISPOT(enzyme-linked immunospot)アッセイにてIFN-γ産生を確認したCTLのライン樹立を行っており、今後Cell lineに対する細胞障害活性の確認へ移行する予定である。

今後の研究の推進方策

樹立したCTLクローンによるCell lineに対する細胞傷害活性の確認と、平成29年度に実施予定である有腹水膵癌患者末梢血からのMUC16, Mesothelin特異的CTLライン樹立と自己腹水由来膵癌株に対する細胞障害活性の確認については同様の手技、研究場所、試薬等で施行することが可能と考えられ、順調な進捗が得られるものと考えられる。

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公開日: 2018-01-16  

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