今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでやってきた線溶系と炎症の研究をさらに進展させるためにさまざまな課題に取り組んでいく。炎症性腸疾患(Munakata S, Gastroenterology, 2015)やaftVersus Host Disease (Sato A, et al. Leukemia, 2014)、さらに血球貪食症候群(Shimazu H,Blood, 2017)のモデルマウスを用い、線溶系因子と難治性疾患の関連性を解明してきたことからさらに踏み込んで解析していく予定である。炎症のみならずこれまでに線溶系を亢進させ組織再生を促す研究もしており(Tashiro Y, Blood, 2012)、本癒着の研究も線維化を防止し、組織再生を促した研究の一端であった。具体的にはすでに線溶系が炎症性細胞の動員を制御していることから、その炎症細胞がどういったシグナルでどういう因子を分泌しているかなどをつめていく予定である。まだまだ難治性疾患が多い中で凝固線溶系の生体内に果たす役割は大きいと考えており、凝固線溶系を制御することで重症疾患、難治性疾患を軽快することが可能であると考えている。これらの研究が後世への新たな治療戦略となっていくことを期待し、研究に邁進していく次第である。
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