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2018 年度 実施状況報告書

DNAメチル化不均一性の超高感度検出による大腸癌予後及び治療効果予測

研究課題

研究課題/領域番号 16K19957
研究機関順天堂大学

研究代表者

杉本 起一  順天堂大学, 医学部, 助教 (30407275)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード大腸癌 / DNAメチル化 / p14 / リキッドバイオプシー
研究実績の概要

【方法】過去1年4か月間に当科で手術を施行した大腸癌70例(Stage I:7例,II:30例,III:18例,IX:15例)を対象とし,血漿中の遊離DNAにおけるp14遺伝子のメチル化レベルを測定し,臨床病理学的因子との関連性について検討した.血漿中の遊離DNAメチル化レベルの測定には術直前に採取した血漿2mlを用い,DNAを抽出後にbisulfite処理を行い,定量的メチル化特異的PCR(qPCR)で測定した.β-Actinをコントロールとし,各症例における相対的DNAメチル化レベル(Relative methylation value:RMV)を算出した.重複癌や多発癌,術前治療施行症例は検討から除外した.統計学的有意差検定は単変量解析にはMann-WhitneyのU検定,Spearmanの順位相関係数を用い,P<0.05を有意差ありと判定した.
【結果】単変量解析では,肺転移を認める症例では認めない症例よりもRMVが有意に高値であった(p=0.01).また,静脈侵襲を認める症例の方が認めない症例よりもRMVが高い傾向がみられた(p=0.07).同様に,最終病期がStage IVの症例ではStage I, II, III症例よりもRMVが高い傾向がみられた(p=0.19).一方,年齢(74歳以下/75歳以上),性別,占居部位(右側/左側),分化度(高・中分化/低分化・粘液癌),リンパ管侵襲の有無,深達度(T1-T3/T4),リンパ節転移(N0/N1-3),肝転移(H0/H1-3),腹膜播種(P0/P1, 2)では有意差は認められなかった.また,術前血清CEA値とRMVの相関は認めなかった(R=0.02,p=0.86).
【結論】今後,多数例を用いた検証が必要ではあるが,本検討により血行性転移,特に肺転移との相関の可能性が示唆された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

上記結果を得ているが,High Resolution Method(HRM)での感度が高くないため,さらなる症例の解析が必要である.

今後の研究の推進方策

今後,原発巣癌組織との比較や手術後の血漿検体との比較により,血漿中の遊離DNAにおけるp14遺伝子のメチル化レベル測定の意義を明らかにしていく必要性があると考えられる.

次年度使用額が生じた理由

症例集積が遅れているために,血漿におけるDNAメチル化解析が遅れ,そのため使用した試薬の量が予定より少なくなった.次年度の予定として,さらに多くの症例を集積し,血漿におけるDNAメチル化解析を行う予定であり,その解析に必要となる試薬の購入に充てさせていただく予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] Johns Hopkins University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Johns Hopkins University
  • [学会発表] 大腸癌における血漿中遊離DNAメチル化測定の意義2018

    • 著者名/発表者名
      杉本起一
    • 学会等名
      日本消化器外科学会

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公開日: 2019-12-27  

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