研究課題/領域番号 |
16K19961
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
木村 文昭 旭川医科大学, 医学部, 助教 (20516413)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 心臓血管外科 / 脳循環 / 眼底血流 |
研究実績の概要 |
本研究では脳循環を反映するパラメータ―として、眼底血流に着目し、レーザースペックル法による眼底血流計を用い、ブタ人工心肺モデルにおける眼底血流を測定し、人工心肺使用時における眼底血流量と脳微小循環の関連を明らかにし、さらに実臨床における心大 血管手術時の眼底血流量を測定し、脳循環動態や脳神経系アウトカムとの関連を明らかにすることを目的とした。この研究計画では、①大動物であるブタを用いた実験モデルで、常温体外循環を使用し送血量を変化させた場合の眼底血流量と脳組織血流量との関係に対 し、定量的評価を行う。②実臨床での眼底血流量と脳神経合併症およびNIRSとの関連につき、統計学的に解析する。この2本立ての研究計画に則り研究は行われている。現在、①の動物実験に関しては、ブタという大動物を使用するために実験モデル作成に時間を要しているものの、基礎的研究が随時進行中である。また、②の実臨床における心大血管手術時の眼底血流測定に関しては、順調に症例数を蓄積しており、この知見から症例報告ではあるが、国際学会にて2回発表を行い、英文論文も3編掲載されている。さらに、英文論文1編が現在執筆中である。また、症例数の蓄積に伴って、原著論文も執筆予定である。本研究は、心臓大血管手術における脳循環と眼底血流の関係につき、非常に独創的な着眼点で実施されており、本研究から得られる知見が心大血管手術における脳循環に関し重要な意義を持つことが、国際学会発表や英文論文掲載といった形で認められてきている。 今後、本研究をさらに進めることでさらなる新知見が蓄積されることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究計画では、①大動物であるブタを用いた実験モデルで、常温体外循環を使用し送血量を変化させた場合の眼底血流量と脳組織血流量との関係に対し、定量的評価を行う。②実臨床での眼底血流量と脳神経合併症およびNIRSとの関連につき、統計学的に解析する。 この2本立ての研究計画に則り研究は行われている。現在、①の動物実験に関しては、実験モデル作成に時間を要しているが、基礎的研究を随時進行している。また、②の実臨床における心大血管手術時の眼底血流測定に関しては、順調に症例数を蓄積しており、この知見から症例報告ではあるが、国際学会にて2回発表を行い、英文論文も3編掲載されている。また、症例数の蓄積に伴い、原著論文も執筆予定である。 研究2年目としては、まだ動物実験モデルの進捗が遅れているが、実臨床においてはすでに結果が出ており、おおむね順調に進行していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後の本研究の推進方策としては、まず動物実験の進捗を可能な限り進め、基礎的研究データの蓄積を行る。さらに実臨床における症例集積が進んでいるが、さらなる症例集積を進めるとともに、得られたデータを統計学的に解析し、原著論文として成果をまとめる予定である。
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