研究課題/領域番号 |
16K19966
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
堂前 圭太郎 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (20774219)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 植込型補助人工心臓 / 重症心不全 / 止血凝固機能 / 合併症対策 |
研究実績の概要 |
末期重症心不全における植込型補助人工心臓装着術においては、周術期の出血性合併症や術後遠隔期における出血傾向が認められる症例があり、周術期管理上の問題となっている。その原因として、消費性の血液凝固因子欠乏症が疑われているが、既存研究では明らかになっていない。 本研究においては、周術期における血液凝固因子の動態を明らかにし、その止血機構・創傷治癒過程を把握し、さらに、第XIII因子等の血液凝固因子の補充による出血傾向の改善効果を検討し、有効な止血方法を構築することを目的として研究をすすめている。 本年度おいては、院内における止血凝固系検査体制の確立を優先して行っており、特に本研究での重要課題である周術期の網羅的な凝固因子の変動を行うためには、必須と考えられる。 これにより、5月から夜間、緊急も含めた各種凝固因子の緊急検査体制が確立する予定である。 今年度以降、当科において人工心臓装着術予定の患者登録、ランダマイズを進め、必要症例数の確保、に努める予定である。また、XIII因子製剤に関しては保険診療範囲内であり、かつ凝固因子検査も保険適応での検査実施が可能となったため、研究実施費用を抑えることが可能となった。これによる次年度使用額は、本研究の中間報告を日本人工臓器学会大会、人工心臓と補助循環懇話会学術集会における発表に使用予定である。 今後は、症例数の完遂と全例のfollow upを目指して研究を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
院内における夜間、緊急での凝固因子検査体制の確立に時間を要したためであるが、本年5月から体制が確立するため、進捗の遅れは取り戻せると考えております。
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今後の研究の推進方策 |
今年度当院心臓血管外科では40例の人工心臓装着術を施行した。当初の予想よりも多い手術症例が得られており、今年度以降も同様のペースが予想されている。 そのため若干の進捗の遅れは認められるが、来年度初めまでに60例の予定症例を完遂できると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
院内での夜間、緊急も含めた各種凝固因子の緊急検査体制が確立に時間を要し、患者組み込みができなかったため、研究実施が遅れている。今年度以降、当科において人工心臓装着術予定の患者登録、ランダマイズを進め、必要症例数の確保、に努める予定である。また、XIII因子製剤に関しては保険診療範囲内であり、かつ凝固因子検査も保険適応での検査実施が可能となったため、研究実施費用を抑えることが可能となった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額は、本研究の中間報告を日本人工臓器学会大会、人工心臓と補助循環懇話会学術集会における発表に使用予定である。 今後は、症例数の完遂と全例のfollow upを目指して研究を進めていく予定である。
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