• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

肺癌免疫療法へ向けたNKT細胞におけるAhRシグナルの作用機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K19974
研究機関千葉大学

研究代表者

高見 真理子  千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (60770906)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード免疫学 / 免疫治療
研究実績の概要

本研究は、肺癌に対するNKT細胞を用いた免疫療法の有効性の向上のため、新たな免疫療法を確立することを目的する。AhRシグナルがPD-L1の発現を抑え、NKT細胞によるIFN-γ等のサイトカイン産生及び細胞障害活性を上げるという仮説に基づき以下の実験を行ってきた。
平成28年度は、in vitroでNKT細胞におけるPD-L1の経時的な発現変化をAhRのアンタゴニスト、CH223191もしくはAhRリガンド、FICZを添加した条件下で検討した。フローサイトメーターによる解析では、CH223191の存在下でNKT細胞表面上のPD-L1の発現が増加し、逆にFICZの存在下では減少することを明らかにした。AhRリガンド投与によりPD-L1の発現が抑制されることで、NKT細胞の抗腫瘍活性が増強するかをヒト肺癌A549細胞と共培養を行い確認したところ、抗腫瘍活性の差異は認められなかった。このことから今後は共培養を行う細胞株を変更する等の条件設定を行いin vitroでのAhRシグナルとNKT細胞の抗腫瘍効果増強に関する検討を進めていく。同時に、重度複合免疫不全マウスであるNOGマウスを用いた肺癌モデルに培養したヒトNKT細胞を投与し、NKT細胞療法を再現し、そこにAhRのアゴニストを添加することでNKT細胞活性が増強するかどうかをin vivoで検討し治療への応用を検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

in vitroでのNKT細胞におけるPD-L1の発現とAhRシグナルの相関関係について明らかにすることができた。一方、AhRリガンドを添加しPD-L1の発現を抑制した状態におけるNKT細胞の抗腫瘍効果の増強に関する具体的な結果はまだ得られていないため、やや遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

今後は抗腫瘍効果を検討する腫瘍細胞株の変更等、細かい条件設定を再検討し研究を遂行して行く。同時に、NOGマウスを用いた肺癌モデルに、培養したヒトNKT細胞を投与しNKT細胞療法を再現する。そこにAhRのアゴニストを添加することでNKT細胞活性が増強するかどうかを、IVISを用いた画像解析によって腫瘍の大きさの観察を行い、さらに腫瘍微小環境でのNKT細胞の活性をin vivoで検討することで、NKT細胞治療への応用を確立する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Blockade of Programmed Death-1/Programmed Death Ligand pathway enhances the antitumor immunity of human invariant Natural Killer T cells.2016

    • 著者名/発表者名
      Kamata, T., Suzuki, A., Mise, N., Ihara, F., Takami, T., Makita, Y., Horinaka, A., Harada, K., Kunii, K., Yoshida S.,, Yoshino, I., Nakayama, T., and Motohashi, S.
    • 雑誌名

      Cancer Immunol. Immunother.

      巻: 65 ページ: 1477-1489

    • DOI

      10.1007/s00262-016-1901-y

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi