研究課題/領域番号 |
16K19980
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
大谷 真二 岡山大学, 大学病院, 助教 (10770779)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 肺移植 / マウス / 虚血再灌流障害 / SPRED2 / MAPK |
研究実績の概要 |
肺移植医療においてドナープール拡大の観点より心臓死ドナーからの移植が注目されている.しかしながら心臓死肺移植は虚血時間が正確に評価できないことがあるため,脳死肺移植と比較して虚血再灌流障害は移植成績に関わる,より重要な要素となる可能性が高い. 本研究はマウス肺移植モデルで,移植後の虚血再灌流障害・急性拒絶反応に伴うメカニズムの解明を目的とする.特に移植肺の急性期虚血再灌流障害に影響すると予想されるMitogen-activated protein kinases(MAPK)系のシグナル伝達に着目し,MAPKを抑制するSprouty-related EVH1-domain-containing protein(Spred)2のノックアウトマウスをドナー/レシピエントそれぞれで用いた実験系において肺傷害への影響を調べる.肺移植において急性虚血再還流障害、急性拒絶反応は脅威である。本研究により虚血再灌流障害のメカニズムを解明してそれを抑制することが出来れば,現在の肺移植成績を向上させるだけではなく,将来本邦でも導入されるであろう心臓死肺移植においても大変有益であると考える.本研究移植後のドナー肺における虚血再還流障害を評価することを目的としており,肺移植モデルを使用する必要性があり、動物実験以外の方法で代替することはできない.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
まずはマウスの肺移植手技の習得自体が大きな課題で、2016年6月から修練を開始した。ドナー肺の摘出が安定したのは1ヶ月後で、さらに摘出肺の肺静脈、肺動脈、気管支に吻合用のカフを接続する手技の習得に1ヶ月を要した。8月末からレシピエントの手技の修練に移行。最難関は移植肺とレシピエントの脈管吻合であるが、11月に初めて成功。それ以降確率を上げながら、実験系の詳細を検討した。野生型マウスから野生型マウスへの肺移植、野生型マウスからSPRED2ノックアウトマウスへの肺移植、SPRED2ノックアウトマウスから野生型マウスへの肺移植、SPRED2ノックアウトマウスからSPRED2ノックアウトマウスへの肺移植の4通りで検討し、好中球の十分な浸潤を期待し虚血時間を24時間で設定した。解析にはHE染色標本、免疫染色標本、Real-Time PCRを用いたカスケードの産物の定量、フローサイトメトリーによる浸潤細胞の同定を行う。2017年2月より徐々にサンプルを回収すべく動き出し、現在肺移植と解析を行っている。他の文献では虚血時間の設定は一様ではないので、実験と検証を重ねて試行していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
肺移植の手技、解析の手技を洗練しつつ、実験系の検証と試行を重ねていく。年度内にサンプルを集める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験の成功率が予想より低かったため,ネズミの購入および飼育費用が必要だった代わりに,PCRなどの費用が要らなくなった.
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は実験の成功率が上がることが予想されるためPCR等の費用がより必要となるため,それらに使用する計画である.
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