研究課題/領域番号 |
16K19986
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
大谷 圭志 東京医科大学, 医学部, 客員講師 (70384956)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 術中マーキング / レーザー / 肺癌 / 末梢小型肺癌 |
研究実績の概要 |
末梢肺に発生する小型肺癌は術中に触知することが困難なことが多く、病変の同定に難渋する。本研究はこの様な病変の術中同定法として、末梢肺へ挿入可能な細径レーザープローブを用いて、経気管支鏡的に病変部へ細径レーザープローブを誘導し、低出力レーザー照射を行いそのレーザー光を肺表面から確認することで、病変部を同定することが可能かどうかを検証することを目的とする。また同時に細径レーザーファイバーの安全性を検証することを目的とする。 上記目的の検証のため、平成28年度の研究計画に基づき動物実験を行った。ハイブリッド犬に対し全身麻酔下に経気管支鏡的にレーザープローブを末梢気管支へ挿入した。レーザープローブは研究協力者である慶應義塾大学と共同で開発した直径0.8mmの側射型細径プラスチックプローブを用いた。胸膜直下までプローブを誘導し50mWの低出力レーザー照射を行い、開胸下に肺表面から直接レーザー光が確認可能かを検討した。 細径プラスチックプローブは、気管から挿入する際180度近い屈曲を伴うヒトの上葉気管支に相当するハイブリッド犬の前葉気管支に、損傷することなく安全に挿入可能であった。また胸膜直下までプローブを誘導しレーザー照射を行ったところ、肺表面から明瞭にレーザー光を観察することが出来た。その後プローブを徐々に引き抜いたところ、2.0cmの深さまでレーザー光を観察することが可能だった。またレーザー照射部には損傷を認めず、安全にレーザー照射を行うことが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動物実験を行う際、当初予定していたブタよりもより代謝がヒトに近いイヌを用いて行うこととなったが、それ以外は計画通り研究が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
ヒト摘出肺を用いて動物実験と同様の検証を行い、本技術が実際にヒトに応用可能かを検証する予定である。実際の患者に対して行う予定であり、患者の同意はもちろんのこと、倫理規定を遵守して行う必要がある。 肺癌などで肺葉切除術を行われる患者に事前に同意を得た後、摘出された肺内に細径レーザープローブを挿入し、胸膜表面からレーザー光を確認できるか検証する。 その後病理学的にレーザー照射部に損傷がないかなどを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度の動物実験を行う際ブタを用いて実験を行う予定であったが、より薬物代謝がヒトに近いイヌを用いて実験を行ったため、予定以上の費用が発生したため、次年度費用からの前倒し請求を行い費用を補填し、実験を行った。 そのため、予定していた今年度使用額を超える費用を用いたが、前倒し請求により次年度使用額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
前倒し請求を行ったため次年度の費用は予定より減少しているが、使用予定のプラスチックファイバーを研究協力者である慶應義塾大学より安価に入手することが可能となったため、予定通り研究を遂行できる予定である。
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