肺区域切除において区域間面の同定は重要なプロセスである。研究代表者らは生体ブタを対象に赤外線サーモグラフィを用い、区域血管(肺動静脈)遮断後に肺表面温度の変化を観察する方法を確立し計4区域において肺区域間面の明瞭な描出同定に成功した。また実臨床において区域肺静脈が同定困難な区域切除を念頭に区域肺動脈のみを遮断することでも同様に区域間面が同定できることを明らかにした。本法で得られた区域間面と、現在広く受け入れられている区域間面同定法(含気虚脱ライン法)とを比較し、これらが一致することを示した。臨床応用にむけ、最低限必要な開胸創径の検討も行い、12cm程度の開胸創が必要であることを明らかにした。
|