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2017 年度 実施状況報告書

がん微小環境を標的とした間質性肺炎合併肺がんに対する革新的治療法の構築

研究課題

研究課題/領域番号 16K19988
研究機関宮崎大学

研究代表者

前田 亮  宮崎大学, 医学部, 講師 (00648769)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード間質性肺炎 / 筋線維芽細胞 / 肺癌
研究実績の概要

ブレオマイシン誘導性間質性肺炎マウスモデル(ブレオマイシン投与後14日目)にマウス肺がん細胞株LLCを左肺に同所性肺移植し、同所性移植後14日目に形成された腫瘍を評価した。ブレオマイシン誘導性間質性肺炎マウスモデルに形成された腫瘍と、コントロールとしてPBSを経気道的に投与したマウスに形成された腫瘍を比較したところ、腫瘍の大きさに有意差は認められなかったものの、ブレオマイシン誘導性間質性肺炎マウスモデルで形成された腫瘍では縦隔リンパ節転移量が有意に増加し、コントロールマウスでは全く認められなかった対側肺転移が認められるようになった。ブレオマイシン投与肺(ブレオマイシン投与後14日目)、コントロール肺のそれぞれから、線維芽細胞を単離したところ、ブレオマイシン投与肺から単離した線維芽細胞は、有意にα-SMA陽性率が高かった。これらの線維芽細胞を、マウスの左肺にLLCと共移植したところ、ブレオマイシン投与肺から単離した線維芽細胞は、肺がんのリンパ節転移、対側肺転移を促進させた。ブレオマイシン投与肺から単離したα-SMA陽性線維芽細胞の、腫瘍細胞の浸潤能に対する影響をin vitro実験で検討したところ、ブレオマイシン投与肺から単離したα-SMA陽性線維芽細胞は、がん細胞の浸潤を促進させた。
さらに同所性肺移植モデル以外の肺がんマウスモデルとして、C57BL/6系統の遺伝子背景をもったK-rasLSL-G12D/+; p53fl/fl(KP)マウスを導入し、Cre発現アデノウイルスベクターを経気道的に投与することで肺がんが発症するマウスモデルを確立させた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

C57BL/6系統の遺伝子背景をもったK-rasLSL-G12D/+; p53fl/fl(KP)マウスを導入し、Cre発現アデノウイルスベクターを経気道的に投与することで肺がんが発症するマウスモデルを確立させた。しかし、試適投与ウイルス量の設定に予想以上に時間がかかった。

今後の研究の推進方策

遺伝子改変による肺がん発症マウスモデル(KPマウス)にブレオマイシンを経気道的に投与し、間質性肺炎を惹起させると、同様に肺がんの進行は促進されるのかを検討する。さらにKPマウスに間質性肺炎に対する治療薬であるピルフェニドンを投与し、肺がんのに対する抑制効果を調べる

次年度使用額が生じた理由

C57BL/6系統の遺伝子背景をもったK-rasLSL-G12D/+; p53fl/fl(KP)マウスを導入し、Cre発現アデノウイルスベクターを経気道的に投与することで肺がんが発症するマウスモデルを確立させた。。遺伝子改変による肺がん発症マウスモデル(KPマウス)にブレオマイシンを経気道的に投与し、間質性肺炎を惹起させると、同様に肺がんの進行は促進されるのかを検討し、さらにKPマウスに間質性肺炎に対する治療薬であるピルフェニドンを投与し、肺がんに対する抑制効果を調べる予定であり、次年度において助成金を治療薬購入にあてたい。

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公開日: 2018-12-17  

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