研究課題
我々は、EGFR遺伝子変異のある肺がんに対してEGFR変異の種類毎にEGFR阻害剤を使い分ける個別化治療を提唱してきた (Kobayashi et al. Cancer Sci 2016)。特に、従来の第1世代EGFR阻害剤では効かないエクソン18の変異に第2世代のアファチニブが効くことを示した (Kobayashi et al. Clin Cancer Res 2015)。しかし、一旦効いても必ず耐性を獲得してしまう。代表的なEGFR変異 (エクソン19欠失、エクソン21の L858R、エクソン18のG719A、エクソン18欠失)を遺伝子導入した肺がん細胞モデルから、アファチニブ耐性機序としての新規EGFR L792F変異を含むT790M、C797S変異が起こること、新規耐性変異のEGFR L792F変異には、別の第2世代EGFR阻害剤ダコミチニブが有効であることを明らかにした (Kobayashi et al. Mol Cancer Ther 2017)。新規耐性変異のEGFR L792F変異に有効なダコミチニブは未承認薬であるが、第3相比較試験で従来の第1世代阻害剤よりも無増悪生存期間を有意に延長し、特に注目されている。そこで、ダコミチニブ耐性機序を明らかにするためにエクソン19欠失、エクソン21の L858R、エクソン18のG719Aを遺伝子導入した肺がん細胞モデルから171個のダコミチニブ耐性クローンを樹立して解析した。その結果、T790M以外にC797Sも起こりうること、そしてこれらには第3、第1世代阻害剤がそれぞれ有効であることを明らかにした (Kobayashi et al. J Thorac Oncol 2018)。
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Journal of Thoracic Oncology
巻: ー ページ: ー
10.1016/j.jtho.2018.01.009.
臨床腫瘍プラクティス
巻: 13 ページ: 16-20