研究実績の概要 |
Thread modelの作成をSDラット100匹前後でTrainingし、constantな脳梗塞モデルの作成に成功した。この間に脳血流モニタリング、脳梗塞サイズ測定、運動機能評価のデータ収集トレーニングを行った。その後脳梗塞モデルに対して0mg/kg (sham), 0.5mg/kg, 1.5mg/kgのFTY720を投与し、dose-responsiveに脳梗塞の縮小、運動機能の改善を認めた。またDay 1において脳血液関門の保持(Evans-blue染色)、アポトーシス(Apoptag)が大きく減少していること、Day 7にてmicroglia/macrophageの集積(CD68/Iba1)が減少していることが認められた。これらの保護効果は既に報告されているFTY720のmulti-factorialな影響(S1P receptorを介する細胞保護効果等)によると思われるが、脳血液関門保護効果に関しては過去に報告されていないことから、FTY720の脳血液関門保持を更に調べる事とした。in-vitroでの研究を追加し、脳微小血管内皮細胞を用いて、脳血液関門の主要構成成分であるZO-1, Occludin, Claudin5, VE-Cadherinの発現を調べたところ、4時間虚血4時間再酸素化では、これらの成分の発現はmRNA, Proteinレベルにおいて減少が認められないものの、VE-Cadherinの細胞内移動(internalization)が生じていることを示すことが出来た。この構成成分の細胞内移動はFTY720では初めて証明されたと考えている。
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