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2016 年度 実施状況報告書

くも膜下出血後 EBI と転写因子 Nrf2 の関連についての検討

研究課題

研究課題/領域番号 16K19997
研究機関金沢大学

研究代表者

会田 泰裕  金沢大学, 附属病院, 医員 (50735438)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードくも膜下出血 / EBI / 酸化ストレス / Nrf2
研究実績の概要

マウスモデル作成の前に、作成が容易なラットくも膜下出血血管穿通モデルの作成を行い、モデル作成の手技を安定化させた。ラットくも膜下出血血管穿通モデルの脳切片を用いた蛍光免疫組織染色では、血管周囲および髄膜などに酸化ストレスマーカーである HO-1 の蛋白レベルでの有意な発現上昇が見られ、くも膜下出血後早期脳損傷(Early brain injury:EBI)と酸化ストレスとの関連が示唆された。また、くも膜下出血後ラットから取り出したウィルス動脈輪を用いた qRT-PCR でも 同様に HO-1 の RNA レベルでの有意な発現上昇が見られ、血管においてもくも膜下出血後の病態と酸化ストレスとの関連が示唆された。
その後、マウスを用いたくも膜下出血血管穿通モデル作成と、作成マウスに対する経時的な採血を行い、現在その手技の安定化に努めている。また酸化ストレス反応制御転写因子 Nrf2(nuclear factor erythroid-2-related factor 2)の発現の局在に関して、蛍光免疫組織染色や qRT-PCR を用いて検討を行っている。また、マウスくも膜下出血後 EBI の評価として、脳水分含量計測による脳浮腫、Evans blue extravasasion を用いた血液脳関門崩壊、免疫染色による神経細胞死の割合などの評価手技習熟や、くも膜下出血後の神経評価として、運動(18-point composite test および beam balance test)や、長期記憶(水迷路試験)、作業記憶(Y 迷路試験)、抑うつ(強制水泳試験)、行動試験(ロータロッド)を行い、評価成熟度を高めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ラットくも膜下出血血管穿通モデル作成において、作成後の死亡や急性硬膜下血腫の合併などにより作成の安定化に時間を要した。また、マウスモデルにおいては、手技がより細かくなるため、安定化に時間を要している。
EBI 評価や神経評価に関しては、評価成熟に一定数が必要なため、時間を要している。

今後の研究の推進方策

まずは、昨年度行った手技と評価方法をより成熟させる。その後、当初の予定通り、マウスくも膜下出血モデルにおける EBI と酸化ストレス反応制御転写因子 Nrf2 の関連についての検討、Nrf2 KO 群を用いた EBI と Nrf2 の関連についての検討、Nrf2 活性化剤である N-acetylcystein 投与による EBI 治療実験を順次行っていく。

次年度使用額が生じた理由

ほぼ計画通りに使用できたが、少額余ることとなった。

次年度使用額の使用計画

必要な物品購入や学会発表等に充てる予定。

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公開日: 2018-01-16  

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