脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血は,高い死亡率を有する疾患である.今回,数値流体力学解析を用いてくも膜下出血発症時の重症度を予測することを試みた.くも膜下出血発症の内頚動脈瘤のうち,破裂点を同定した16例を対象とし,軽症群(10例)と重症群(6例)に分類した.動脈瘤内に流線を表示し,瘤内の血液の流れと破裂点との位置関係を評価した.早い血流が直接破裂点にあたるものをタイプ1,血流がうっ滞した部分に破裂点があるものをタイプ2,早い血流とは直交する部位に破裂点がある場合をタイプ3とし,重症化しやすいタイプを評価した.タイプ1,2が重症群と,タイプ3が軽症群と関連していた.
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