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2017 年度 実績報告書

脳梗塞辺縁部のNG2陽性マイクログリアの機能解析と脳梗塞治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 16K20014
研究機関愛媛大学

研究代表者

松本 調  愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (30772503)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードマイクログリア / 脳梗塞 / アポトーシス
研究実績の概要

我々は、これまで脳梗塞中心部で骨髄由来マクロファージ様細胞が増殖・集積し、特にNG2プロテオグリカン(NG2)を発現する一群の細胞は虚血による組織障害の増悪を防ぐことを示してきた。この脳梗塞中心部では、脳常在性マイクログリアは早期に死滅してしまう。しかし、緩徐な神経細胞死が観察される脳梗塞の辺縁部では、脳常在性マイクログリアの活性化像が観察される。これらの細胞は、活性化アストロサイトによるグリオーシスに沿う約100µm程度の幅の組織(demarcation zoneと呼ぶ)に限って存在する。この活性化マイクログリアの多くはNG2を発現し、虚血辺縁部で変性しアポトーシスする神経細胞を取り囲み貪食することを観察した。ラット中大脳動脈一過性閉塞モデル作成7日後に、梗塞中心部、辺縁部、対側(非虚血側)の大脳皮質を採取し、マイクログリアによるアポトーシス細胞の貪食シグナル分子のmRNAの発現を調べた。脳梗塞辺縁部のNeuronal proteinは、脳梗塞中心部と同様に減少している一方、TREM2やeat-me signalに関連するMFG-E8, MerTK,Gas6, Protein S、補体(C1q,C3)が上昇していた。また、免疫組織染色において、脳梗塞辺縁部の活性化マイクログリアはCD68陽性ファゴソームをもち、C3, ProteinS陽性のNeuronに接着していた。これらの結果より、マイクログリアは、これらの貪食関連の分子を介して、ニューロンを選択的に貪食していることが示唆され、これらの分子は緩徐な神経細胞死を抑制するターゲットとなりうる可能性が示された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Sustained anti-inflammatory effects of TGF-β1 on microglia/macrophages.2018

    • 著者名/発表者名
      Islam A, Choudhury ME, Kigami Y, Utsunomiya R, Matsumoto S, Watanabe H, Kumon Y, Kunieda T, Yano H, Tanaka J.
    • 雑誌名

      Biochim Biophys Acta

      巻: 1864(3) ページ: 721-734

    • DOI

      10.1016/j.bbadis.2017.12.022.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Truncated CD200 stimulates tumor immunity leading to fewer lung metastases in a novel Wistar rat metastasis model.2018

    • 著者名/発表者名
      Kuwabara J, Umakoshi A, Abe N, Sumida Y, Ohsumi S, Usa E, Taguchi K, Choudhury ME, Yano H, Matsumoto S, Kunieda T, Takahashi H, Yorozuya T, Watanabe Y, Tanaka J.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun.

      巻: 496(2) ページ: 542-548

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2018.01.065.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 脳梗塞に対するIL-3/GM-CSFの混合投与による骨髄刺激療法有効性の検討2017

    • 著者名/発表者名
      松本 調
    • 学会等名
      Stroke2017
  • [学会発表] ラット脳梗塞巣におけるIL-3とGM-CSF混合皮下投与の有効性の検討2017

    • 著者名/発表者名
      松本 調
    • 学会等名
      脳神経外科学会総会2017
  • [学会発表] ラット脳梗塞巣におけるIL-3とGM-CSF混合皮下投与の有効性の検討2017

    • 著者名/発表者名
      松本 調
    • 学会等名
      脳循環代謝学会

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公開日: 2018-12-17  

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