研究課題
Bevacizumab投与患者において、術前、初回化学療法前後の血液サンプルライブラリーを作成した。膠芽腫における血液を使用したliquid biopsy確立のため、血液中のcell free DNAの同定をまず目標として実験を遂行した。血液中の微量な核酸を同定するため、リアルタイムPCR法およびデジタルPCR法を用いたが、再現性のある実験結果は得られなかった。過去の文 献などでは膠芽腫患者において血液を用いたliquid biopsyの文献も散見されるが、そもそも脳腫瘍においては血液脳関門が存在して おり、血液中に脳腫瘍由来物質が存在したとしても、中枢神経外の悪性腫瘍と比較して、量が少なく、liquid biopsyの対象としては 適当でないとする論文も多い。我々の結果からも血中の腫瘍由来核酸を用いたliquid biopsyは困難であるという印象を持っている。代替案として、膠芽腫患者より術中に採取した脳脊髄液数例の解析を行った。WHO grade2,3の乏突起神経膠腫においては、変異型IDH1遺伝子を髄液中から同定できたが、膠芽腫においては変異型IDH1遺伝子の頻度は数パーセント程度と低く、本実験では同定はできなかった。今後も髄液を使った実験 を進めていく予定である。しかしながら、腰椎穿刺は侵襲的な検査であり、頭蓋内の脳ヘルニアを助長する可能性があることから、初回手術時以外に髄液を採取することは倫理的に難しく、実験の遂行に難渋している。
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