研究課題/領域番号 |
16K20019
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
中村 大志 横浜市立大学, 医学部, 助教 (60771615)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 中枢神経系原発悪性リンパ腫 / びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 / CpG island / DNAメチル化 |
研究実績の概要 |
中枢神経系原発悪性リンパ腫(Primary Central Nervous System Lymphoma, PCNSL)は脳実質内において発生(intra-axial primary brain tumor)・増殖し,現在の標準的治療法によっても平均生存期間が40ヶ月程度ともっとも治療困難な原発性脳腫瘍のひとつである.我々はこれまでにPCNSLについて,中枢神経系に特殊な免疫環境の観点からこの腫瘍を特徴づける遺伝子解析結果を報告した(Nakamura et al 2015).今回,PCNSLに対するエピゲノム領域,とりわけDNAメチル化を解析することで更なる分子生物学的特徴を明らかにすること,またその結果を基にこれまで判っていないこの悪性脳腫瘍の起源に迫ることを研究の目的とする. 平成28年度の期間においてInfinium HumanMethylation450 BeadChip (Illumina)を用いた網羅的メチル化アレイ解析を中枢神経系原発悪性リンパ腫腫瘍組織検体に対しておこなった.対象となる100症例程度の検体におけるデータを抽出した.一方で,TCGA( The Cancer Genome Atlas)やGEO (Gene Expression Omnibus)といったpublic databaseより全身性びまん性大細胞B細胞リンパ腫(DLBCL)のraw data を入手し共同研究者である山下ら国立がん研究センター研究所脳腫瘍連携研究分野やエピゲノム分野の協力を得ながらデータを処理した.,網羅的DNAメチル化解析をおこなった.データはBeadChip kit専用のGenomeStudio (Illumina)ソフトウェアやR ソフトウェアを用いて解析をおこない,中枢神経系におけるリンパ腫と全身性リンパ腫との比較をおこないながら中枢におけるリンパ腫を特徴付けるエピゲノムレベルにおける特徴付けをおこない学会報告や論文化をおこなった.そのうえで網羅的DNAメチル化解析も用いた本研究に基づいた論文報告をおこない,Acta Neuropathologica誌(IF 11.360 2015/2016)に採択された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
中枢神経系原発悪性リンパ腫(Primary Central Nervous System Lymphoma, PCNSL)は脳実質内において発生(intra-axial primary brain tumor)・増殖し,現在の標準的治療法によっても平均生存期間が40ヶ月程度ともっとも治療困難な原発性脳腫瘍のひとつである.我々はこれまでにPCNSLについて,中枢神経系に特殊な免疫環境の観点からこの腫瘍を特徴づける遺伝子解析結果を報告した(Nakamura et al 2015).今回,PCNSLに対するエピゲノム領域,とりわけDNAメチル化を解析することで更なる分子生物学的特徴を明らかにすること,またその結果を基にこれまで判っていないこの悪性脳腫瘍の起源に迫ることを研究の目的とする. 平成28年度の期間においてInfinium HumanMethylation450 BeadChip (Illumina)を用いた網羅的メチル化アレイ解析を中枢神経系原発悪性リンパ腫腫瘍組織検体に対しておこなった.対象となる100症例程度の検体におけるデータを抽出した.一方で,TCGA( The Cancer Genome Atlas)やGEO (Gene Expression Omnibus)といったpublic databaseより全身性びまん性大細胞B細胞リンパ腫(DLBCL)のraw data を入手し共同研究者である山下ら国立がん研究センター研究所脳腫瘍連携研究分野やエピゲノム分野の協力を得ながらデータを処理した.,網羅的DNAメチル化解析をおこなった.データはBeadChip kit専用のGenomeStudio (Illumina)ソフトウェアやR ソフトウェアを用いて解析をおこない,中枢神経系におけるリンパ腫と全身性リンパ腫との比較をおこないながら中枢におけるリンパ腫を特徴付けるエピゲノムレベルにおける特徴付けをおこない学会報告や論文化をおこなった.そのうえで網羅的DNAメチル化解析も用いた本研究に基づいた論文報告をおこない,Acta Neuropathologica誌(IF 11.360 2015/2016)に採択された.
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今後の研究の推進方策 |
本研究については上記論文化が為されたことで研究の最も重要な研究内容についてはおこなわれ、かつ論文化されたと考える。しかし、膨大なデータから今後は新たな治療標的となるpathwayやアプローチをみつけるべく臨床検体からの中枢神経系原発悪性リンパ腫細胞株樹立実験を行いながら、それらの新たな治療標的の候補となるような薬剤投与実験をおこなっていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
28年度における研究においては、当初見込んだ物品費が計画よりも安価に済んだため。
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次年度使用額の使用計画 |
細胞株樹立実験や薬剤投与実験、そのほかにもpublic databaseからのデータを利用しておこなう解析に関わる費用に充てる目的で次年度において使用することとする。
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