研究課題/領域番号 |
16K20020
|
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
木村 活生 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 助教 (60438140)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | パーキンソン病 / 脳深部刺激療法 / 淡蒼球 / 認知機能 / アセチルコリン / マイネルト基底核 / MRI / 細胞活動記録 |
研究実績の概要 |
本研究は研究対象の目標症例数を20例40側と設定し,術中細胞活動記録を解析する計画である.現時点までに18例に対し手術が終了しており,全例において術中細胞活動記録の採取が完了している. 研究計画書に記載したとおり,本研究は第一段階~第四段階の四段階にわけ,研究遂行する計画である. 第一段階の境界細胞の細胞活動の特徴の解析の作業に関しては,境界細胞をとらえる作業が重要となる.約80%の手術中細胞活動記録で,淡蒼球内節と淡蒼球外節の境界領域が捉えられ,その約半数で境界細胞と考えられる細胞活動記録が採取できている.また,大半の症例で,同部位への電極留置に成功している.現在,この境界細胞の細胞活動の解析作業を進めているが,上市されているソフトウェアでは解析が困難な部分があるため,本研究に必要とされる性能を満たすよう,ソフトウェアの開発・改良をすすめており,完了次第解析を完遂する計画である. また第二段階の解剖学的な正確な位置の同定作業に関しては,同細胞群が採取された部位と周辺構造物との位置関係を明らかにするため,MRI画像・CT画像の解析を施行している.MRI画像の撮像パラメタに関しては十分な検討が行えたが,CT画像に関して撮像パラメタのさらなる検討が必要な部分があり,作業を続けている. 第三・四段階の持続刺激パラメタの検討と長期予後に関しては,約半数の症例で二四週以降の長期予後の検討ができており,解析・検討を進めている. 本研究のうち,画像解析結果を含まない結果と,24週間の長期予後の検討結果に関しては,学術大会での発表を予定している.引き続き当初の研究計画に遅れが出ないよう検討を進める予定である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
一部解析に用いるソフトウェアに不具合があり,本研究用に改良が必要であるため検討している.改良が完了次第,解析を続け,最終的には予定通り研究が遂行できるものと考える.
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き,目標症例数に達するよう,研究計画書にあるように2017年6月までを目標に症例数を増やす予定である.また解析に用いられるソフトウェアの改良が完了次第,解析を完遂する予定である.長期予後の検討に関しても順調に進んでおり,最終的な結果として解析を行い,英文学術論文として投稿する方針である.
|
次年度使用額が生じた理由 |
DBS手術中の細胞活動記録を解析するため,既存の市販ソフトウェアとともに,当該研究で解析を行うための専用ソフトウェアを開発中である.現在,開発業者とともに改良を続けており,最終版の納入時点での支払予定としたため,年度中に支払いができなかった.またそのソフトウェアの必要とするスペックを満たす解析専用コンピュータを導入する予定であり,その納品・支払いも年度中にできなかったため,本年度の物品費に残額が発生した.成果報告のための学会出張予定として旅費を計上したが,採択された学会が2017年6月開催であるため,旅費の支出も延期された.
|
次年度使用額の使用計画 |
2017年4月以降,納入された物品より支払いをすすめている.当初の研究予定で予算計上した物品の手配を進め,研究が送れないよう留意しながら決済していく.また,旅費に関しては上記に示したように今年度開催される学会で採択されているため,それに合わせ支出していく予定である.
|