脳静脈虚血のラット実験モデルを利用し、脳皮質静脈閉塞における局所の内在性神経幹細胞の発現の有無とその分布を調べる事で、神経幹細胞をこの脳静脈虚血分野へ応用・展開するための研究基盤を確立する事を目的として実施した。 免疫組織学的検討の結果、脳皮質静脈閉塞による脳静脈梗塞では、虚血35日目には虚血巣周囲領域に新生神経細胞の発現を認め、虚血15日目には虚血巣周囲領域に神経幹細胞の誘導が確認できた。脳動脈虚血の報告で指摘された、脳室周囲からの内在性神経幹細胞の誘導現象は認められず、局所的な脳静脈虚血である本モデルでは、異なる発現メカニズムの存在が示唆された。
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