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2016 年度 実施状況報告書

4DCTAを用いた、頚動脈狭窄症における頭蓋内血管反応性の評価

研究課題

研究課題/領域番号 16K20031
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

黒田 淳子  兵庫医科大学, 医学部, 助教 (00528391)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード頭蓋内血管狭窄 / 4DCTA
研究実績の概要

当研究は、頭蓋内内頚動脈狭窄病変の心拍同期3DCTA画像を解析することにより血管弾力性に変化があるかどうかを検証することを目的としている。
過去に未破裂動脈瘤における心拍同期3DCTAでの血管内体積を評価した結果、心拍に同期して血管内体積も変化することが証明されている。同研究では未破裂動脈瘤と正常血管では1心拍内の体積変化率に有意差はなく動脈瘤全体としては血管性状に大きな差はないものと結論づけた。
頭蓋内内頚動脈狭窄においては動脈硬化性変化が強くみられ、周囲石灰化も伴っていることが多く1心拍内での血管内体積は正常血管のそれに比較して変化率が少なくなるものと予想される。すなわち1心拍内での血管内体積の変化量が少なくなることは血管壁の弾力性が低下し、収縮期には血管内体積のピークが低くなると予想される。それとは逆に、血管内体積のピークが正常血管と変わらないのであれば狭窄病変の局所的な弾力性は正常血管のそれと差がないものと考えられ、心拍同期3DCTAは従来の核医学的検査(PET, SPECT)との結果の解離が生じるものと予想される。しかし、心拍同期3DCTAで狭窄血管の1心拍内の血管内体積が正常のそれと有意差はないが、核医学的検査では安静時あるいはダイアモックス負荷時に左右差が大きく出るかどうかの検証を行い、両者の関連性を評価する必要はあると考えられる。
当研究の対象となり得る頭蓋内内頚動脈狭窄の一例につき、64列のCT機器を用いて撮影を行い解析を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

対象症例1例について解析を試みたが、標的となる血管が狭窄しており、CTAでの画像化の際に途絶しているように見えることが問題となった。また、頭蓋内内頚動脈は周囲が骨で囲まれており、骨による画像のアーチファクトが大きい事も問題となった。
特に石灰化を伴った狭窄病変は周囲の頭蓋骨との分離が非常に困難であり、狭窄病変を正確に描出させるようにwindow levelを変化させると軟部組織を含めた血管周囲構造のアーチファクトもさらに強く描出される事が問題と考えられた。 また、同時に標的となる血管のROIが小さく典型的な心拍同期した波形が得られなかった。未破裂動脈瘤と正常血管を比較した4DCTAを用いた血管内体積の変化率を検討する研究に置いても、3mm以下の小動脈瘤や、頭蓋骨に非常に近い部位に存在する動脈瘤は動脈瘤自体の画像の切り出しが困難であり、数値としても平均的なものから大きく外れる傾向にあった。

今後の研究の推進方策

解析対象となる病変の条件として石灰化を伴わないもの、錐体骨など頭蓋骨から離れており切り出しにアーチファクトの影響を受けにくいものを選択する必要があると考えられる。しかしそれらの病変は頭蓋内の中大脳動脈狭窄などさらに細い血管の狭窄が対象となってくるため、ROIが小さく前述のように典型的な心拍同期波形が得られるかどうかは不明である。また、頭蓋骨や脳実質のアーチファクトの影響を受けにくいようにwindow levelを変更すると中大脳動脈は途絶したように見える可能性が高く、正確な解析データは得られにくいものと考えられる。
以上より、頭蓋内内頚動脈病変および頭蓋内血管(中大脳動脈、前大脳動脈、椎骨脳底動脈)狭窄病変に対する当研究は様々な問題点があると考えられる。
そのため、対象とする血管を頭蓋外内頚動脈病変に変更することも検討項目の一つとして視野に入れるべきである。

次年度使用額が生じた理由

初年度に生じた問題点を検討し解決したうえで引き続き解析が必要と判断したため。

次年度使用額の使用計画

Mathlaboソフトウェア、各学会出張費、論文化英訳費用、解析データ保存用デバイスなどの購入を予定・検討している。

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公開日: 2018-01-16  

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