研究課題/領域番号 |
16K20033
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター) |
研究代表者 |
沖田 典子 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (10533797)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | glioma / 11C-methionine PET / MGMT |
研究実績の概要 |
【背景・目的】神経膠腫は病理組織学的に不均一で、腫瘍中心部と周辺部の浸潤領域では遺伝子変異や発現が異なることが報告されている。免疫染色やシークエンスなどで遺伝子変異を調べるには実際の腫瘍検体が必要であり、手術による組織採取を要する。遺伝子変異を非侵襲的に画像技術で可視化する試みは過去にも行われているが、神経膠腫関連の遺伝子変異を画像評価した報告は限られている。今回MET-PETとMGMTプロモーターメチル化率、細胞密度との相関性を定位的に非造影病変で検証した。【対象と方法】初発9例の病理診断はdiffuse astrocytoma 2例、oligodendroglioma 3例、anaplastic astrocytoma 2例、glioblastoma 2例で、これら9症例の非造影病変に対して定位的に採取した31検体を対象とした。3症例では再発時にも検体を採取した。MGMTプロモーターメチル化は定量化methylation-specific PCRを用い解析した。術前のMET-PETでのT/N比を算出し、MGMTプロモーターメチル化率、細胞密度との相関について検討した。【結果】初発例ではT/N比とMGMTプロモーターのメチル化率(p=0.009)で有意に相関を認めたが、細胞密度(p=0.05)はわずかな相関関係にとどまった。再発例ではMGMTプロモーターのメチル化率(p=0.97)と細胞密度(p=0.70)ともに相関関係を認めなかった。【考察・結論】初発例では非造影病変でMET-PETの取り込みから定位的にMGMTプロモーターメチル化率が予測できる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
治療経過時の腫瘍の生物学的特徴を画像技術で可視化するための対象として、再発時や長期生存者の化学療法後の画像上の変化の解析が重要となり、当初の予定より長期的解析が追加で必要となった。今後さらに1年の経過を追加で解析していくため、当初の研究計画を変更する必要が生じた。また解析の進行により、長期生存者の新たな遺伝子解析が必要となった。
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今後の研究の推進方策 |
治療経過時の腫瘍の生物学的特徴を画像技術で可視化の対象として、再発時や長期生存者の化学療法後の画像上の変化の解析を行っていく。今後さらに1年の経過を追加で解析していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
治療経過時の腫瘍の生物学的特徴を画像技術で可視化の対象として、再発時や長期生存者の化学療法後の画像上の変化の解析を行っていく。今後さらに1年の経過を追加で解析していく予定である。遺伝子解析用のDNA抽出・シークエンスの試薬、免疫染色抗体、画像データ保存用ハードディスク、論文英文校正・論文印刷費、学会発表に使用する予定である。
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