研究実績の概要 |
平成29年度の研究実績を以下に挙げる。 新たな結果としてまず、アポトーシスに関する解析を、カスパーゼ3の発現をwestern blottingで評価したところ、阻害剤投与によりカスパーゼ3の発現が亢進することが認められた。この結果はRNA干渉試験においても同様の結果が得られている。またその上層として、シトクロムcの関わりを評価するため、ミトコンドリアの膜電位を評価したところ、阻害剤投与により、ミトコンドリア膜電位の低下を認め、シトクロムcの関わりが示唆された。次に作用機序についていくつかの実験を進めた。1つはフローサイトメトリーにより、細胞周期について評価した。阻害剤投与後はG1アレストを起こしていることを確認し、その原因として、cyclin D1, CDK4/6が阻害剤投与によって抑えられるためであることが示唆された(western blottingで評価)。現在、その他の作用機序としてNF-κB経路との関わりがないかということをルシフェラーゼアッセイによって評価しようとしているところである。他に、in vivoで得られた腫瘍組織を様々な染色を行うことで、これまでに示唆された作用が起こっているのかを確認する準備をしているところである。 またこれらの結果を国内外の学会で発表を重ねており、そこで特に作用機序について新たなヒントが得られないかと考えている。論文発表は今年度から来年度を目標に、並行して進めていっている。
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