研究課題/領域番号 |
16K20043
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
高橋 藍 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (90615303)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 脂肪由来間質細胞 / 骨髄間質細胞 / 脊髄損傷治療 |
研究実績の概要 |
脊髄損傷に対する間葉系間質細胞移植の治療効果について,同一マウスより分離した脂肪由来間質細胞(ADSC)と骨髄間質細胞(BMSC)を用いて治療効果の比較を行った.また,これら2種類の細胞について,表面抗原解析(フローサイトメトリー),サイトカイン合成能解析(ビーズアレイ),低酸素抵抗性評価(トリパンブルー染色),酸化ストレス抵抗性評価(XTTアレイ,LiVE/DEAD),移植後の細胞動態評価(蛍光顕微鏡),神経保護効果(蛍光免疫染色),血管新生効果(蛍光免疫染色)について解析した.これまでの実験から,ADSCはBMSCと比較しストレス抵抗性があり,移植後の生存率も優れていた.また,治療効果にはBMSCとは異なる複数のサイトカインが関連することが示唆された.(Cell transplantation, in press).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究から,ADSCはBMSCと比較し低酸素抵抗性,酸化ストレス抵抗性が強く移植後の細胞生存率も良いと考えられる.また,脊髄損傷治療効果には複数のサイトカインが関連し,移植後の血管新生を促進し,また,神経保護に関与すると想定している.即ち,ADSCはBMSCとは異なる機序で脊髄損傷治療に関与している可能性がある.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,特に治療効果に関連するサイトカインについての組み換え幹細胞を作成し,治療効果のメカニズム解析を主眼とし,免疫組織化学的に検討を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
産前産後の休暇又は育児休業により研究を中断していたことにより未使用額が生じた。 当該未使用額を次年度に持ち越して追加の試薬・抗体・消耗品等購入する。
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