研究実績の概要 |
平成28年度では、1. ステロイド性骨壊死症と関連の強いmiRNAのサイトカインの発現プロファイルに着目して、血管形成能と細胞分化促進能についての検討、2. 血管・骨形成作用を有するmiRNA投与による単核球の遊走能およびサイトカイン分泌変化の解析, また3. ラットステロイド性骨壊死モデルを用いてmiRNA導入骨髄単核球による壊死骨の再生効果を明らかにするため以下の研究を行った。 1.ステロイド性大腿骨頭壊死症手術患者、また非大腿骨頭壊死症患者の数症例から、手術時に摘出した大腿骨頭より骨髄を採取し,マイクロアレー法を用いたmiRNAの網羅的発現解析を行った。このうち発現が促進、また抑制されているmiRNAを抽出し、real time PCRを用いて大腿骨頭における各miRNAの発現の解析を行った。その中で、数種類のmiRNA(miR-31, miR-34a, miR-146, miR-193a, miR-218)の発現に注目し、in vitro実験系において、各miRNAの血管新生能、骨増殖能について評価した。 2. in vitro実験系において、培養骨髄単核球と上述したmiRNAを低酸素下で培養し、VEGF, FGF, osteocalcin, Runx2, Alkaline phosphatase, TypeⅠcollagenの濃度を測定し、血管形成能、骨増殖能を評価した。 3.ラットステロイド性骨壊死症モデルの作成方法確立のため、先に報告されたモデルに準じ、2週、4週で骨壊死発生率の評価を行った。これまで、Lipopolysaccharide、methylprednisolonの投与量、投与期間、使用ラットの週数等種々変更してモデル作成に取り組んでいるが、現在のところ明らかな壊死領域を認めるモデルを作成できるまでには至っていない。
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