研究実績の概要 |
平成29年度では、1. ステロイド性骨壊死症と関連の強いmicroRNA(miRNA)のサイトカインの発現プロファイルに着目して、血管形成能と細胞分化促進能についての検討、2. 血管・骨形成作用を有するmiRNA投与による単核球の遊走能およびサイトカイン分泌変化の解析, また3. ラットステロイド性骨壊死モデルを用いてmiRNA導入骨髄単核球による壊死骨の再生効果を明らかにするため以下の研究を行った。 1.ステロイド性大腿骨頭壊死症手術患者の大腿骨頭におけるmiRNAのプロファイルから得られたmiRNA(miR-31, miR-34a, miR-146, miR-210, miR-218)をそれぞれ、in vitro実験系において、各miRNAの血管新生能、骨増殖能について評価した。その結果、それぞれのmiRNAで血管新生能、また骨増殖能が亢進する結果が得られたが、その中でmiR-31, miR-210では他のmiRNAと比較し、有意に血管新生能、また骨増殖能が高い結果となった。 2. in vitro実験系において、培養骨髄単核球と上述したmiRNAを低酸素下で培養し、VEGF, FGF, osteocalcin, Runx2, Alkaline phosphatase, TypeⅠcollagenの濃度を測定し、血管形成能、骨増殖能が有意に促進したmiRNAの選別を行った。 3.ラットステロイド性骨壊死症モデルの作成方法確立のため、先に報告されたモデルに準じ、骨壊死発生率の評価を行っているが、現在のところ明らかな壊死領域を認めるモデルを作成できるまでには至っていない。そのため平行して、上記結果で得られたmiRNAを骨折偽関節モデルに対し投与し、in vivoでの血管新生能、骨形成能につき評価を行っている
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