研究実績の概要 |
ステロイド性大腿骨頭壊死症手術患者の大腿骨頭の骨髄組織をもとにマイクロアレー法を用いたmiRNA, の網羅的発現解析から得られた候補をもとに、microRNA(miRNA)による骨・血管再生効果を明らかにするためin vtro/in vivo実験系において以下の研究を行った。 1.in vitro実験系において、各miRNAの骨増殖能について、アルカリフォスファターゼ染色、alizalin red染色、またreal time PCRを用いたtype1 collagen, RUNX2の定量化、また血管新生能についてはHUVECを用いてそれぞれnを増やし評価を行った。その結果、候補となった6つのmiRNAのうちmiR-31, miR-210が骨形成能、血管形成能が高い結果が得られたため、miR-31とmiR-210のcombinationによる血管新生能、骨増殖能についても評価した結果、miR-31とmiR-210のcombinationが最も血管新生能、骨増殖能が高い結果となった。 2.これまで報告に基づきラットステロイド性骨壊死症モデルの作成を試みたが、再現性の高い骨壊死症モデルの作成が困難であったため、ラット大腿骨骨折偽関節モデルを用いて実験を遂行した。in vitro実験系で得られた結果をもとに、miR-31、miR-210の骨折部局所投与による血管新生、骨再生効果につき評価を行った。単純レントゲンによる評価では、投与後4週における骨再生効果がmiR-31とmiR-210のcombinationで最も高く、μCTを用いたmorphometric解析でも同様にmiRNA投与後4週における仮骨形成がmiR-31とmiR-210のcombinationで最も高い結果であった。
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