研究課題/領域番号 |
16K20065
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
井上 裕章 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60457968)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 前十字靱帯再建術 / 移植腱再構築 / PRP / β-TCP |
研究実績の概要 |
12週齢のSprague-Dawleyラットを用いて腱移植モデルを作製した。腱移植モデルとして先行研究に従って、大腿骨顆部に骨孔を作製した。別個体から採取した遊離アキレス腱と骨孔掘削時に採取できたスティック状の移植骨を骨孔に挿入した。それに多血小板血漿(PRP)を加えたP群、人工骨を加えたO群、PRPと人工骨を加えたPO群の3群を作製した。28日目にsacrificeして、ホルマリン固定した。Sacrifice時、肉眼的には関節炎症状を起こしている個体を認めなかった。大腿骨における移植腱挿入部は線維性組織で被覆されていた。 組織切片を骨孔に平行に作製し、hematoxylin eosin染色で組織学的評価を行った。移植腱の骨化は全群ともに認めなかった。骨組織と移植腱由来のコラーゲン線維を確認した。すべての群で骨孔と移植腱が組織学的に癒合傾向を認めた。 28日目の評価としてはhematoxylin eosin染色で明らかな差を生じないことが判明した。これは想定範囲内の結果である。HSP47の免疫染色による瘢痕組織の評価、タイプⅠコラーゲンの免疫染色による骨細胞の動態評価、血流の再開評価のためのα-SMA免疫染色などが必要と考えた。また、今年度は骨孔に平行な組織切片のみにおける評価となったが、垂直な切片による評価も移植腱の再構築評価として重要である。さらに、経時的変化の評価として、28日目では明らかな差が生じなかったことから、7日目、14日目など、早期におけるこれらの変化についても評価する必要があると考えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定に近い状態で進行している。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、免疫染色を行い、PRP、人工骨を追加することによる治癒能力の差を検討する。また、治癒するまでの期間における治癒過程の違いを検討する。これらの実験の遂行に、GFPラットの使用も予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
費用のかかる免疫染色やGFPラットを用いた実験を次年度に予定したために、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は、免疫染色を行い、PRP、人工骨を追加することによる治癒能力の差を検討する。また、治癒するまでの期間における治癒過程の違いを検討する。これらの実験の遂行に、GFPラットの使用も予定している。
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