12週齢のSprague-Dawleyラットを用いて腱移植モデルを作製した。腱移植モデルとして先行研究に従って、大腿骨顆部に骨孔を作製した。別個体から採取した遊離アキレス腱と骨孔掘削時に採取できたスティック状の移植骨を骨孔に挿入した。アキレス腱のみを挿入した群(Control群3匹)、アキレス腱と人工骨を挿入した群(β-TCP群3匹)、アキレス腱と人工骨とPRPを加えた群(β-TCP+PRP群4匹)の3群を作製した。14日目にsacrificeして、ホルマリン固定した。Sacrifice時、肉眼的には関節炎症状を起こしている個体を認めなかった。大腿骨における移植腱挿入部は線維性組織で被覆されていた。 組織切片を骨孔に平行に作製し、hematoxylin eosin染色で組織学的評価を行った。全群ともに移植腱の骨化は認めず、骨組織と移植腱由来のコラーゲン線維が確認できた。しかしControl群では移植腱はやや不明瞭であった。β-TCP群では1匹で腱が不明瞭となり強い炎症細胞浸潤を認めた。他の2匹では腱と骨組織の境界が比較的明瞭に見られた。一方、β-TCP+PRP群では3匹で良好な腱線維が確認でき、周囲骨組織へなだらかなに以降していた。炎症細胞浸潤は軽度であった。 同様の3群を作成し、28日目にsacrificeした。β-TCP+PRP群のみが炎症反応が少なかった。
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