研究課題/領域番号 |
16K20070
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
大久保 武人 順天堂大学, 医学部, 助教 (90732884)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 骨巨細胞腫 / Denosumab |
研究実績の概要 |
本研究は、難治性かつ「希少癌」である骨巨細胞腫(Giant cell tumor of bone: GCTB)の治療成績の改善を目指し、その要となる腫瘍悪性度・治療抵抗性の機序について特定し、悪性度(再発・転移)・治療奏功性に関するバイオマーカーの同定及び、新規治療分子標的の開発を進める。特徴として、(1) GCTBの悪性度及びDenosumab治療反応性に関わる発現データベースの構築(タンパク質発現、mRNA発現、遺伝子変異、代謝産物発現)の基に、(2)それらで同定されたGCTBの悪性度及び治療反応性に関わる分子生物学的機能解析やネットワークの解明を進め、(3)バイオマーカーの同定や新規治療分子標的の開発を大規模検証の基に進める。以上の3つのステップを順次達成し、早期GCTBの治療成績の改善を目指す。 本年度は引き続き、(1)GCTBの悪性度及びDenosumab治療反応性に関わる発現データベースの構築(タンパク質発現、mRNA発現、遺伝子変異、代謝産物発現):GCTBの生物学的な特徴をプロファイリングするために、特にDenosumab使用前・後の凍結手術検体セットを用い、GCTBの悪性度やDenosumab治療抵抗性に関連する因子の同定を進めた。 タンパク質リスト統合的解析を進め、Denosumab奏効因子及び奏効遅延因子候補の同定を進めた。(2)GCTBの悪性度及びDenosumab治療反応性に関わる機能解析・ネットワーク解析: (1)のデータベースより同定されたGCTBの悪性度やDenosumab治療奏功性に関与する因子のネットワーク解析を進め、Denosumab奏効因子及び奏効遅延因子候補の同定を進めた。次年度に(3)国内外大規模検証によるバイオマーカーの臨床応用を目的とした有用性の確認:バイオマーカーとしての能力の検証を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は引き続き、(1)GCTBの悪性度及びDenosumab治療反応性に関わる発現データベースの構築を行ったが、検体が希少のため検体確保に時間を要した。最終的には タンパク質リスト統合的解析を進め、Denosumab奏効因子及び奏効遅延因子候補の同定に成功したが、(2)GCTBの悪性度及びDenosumab治療反応性に関わる機能解析・ネットワーク解析、(3)国内外大規模検証によるバイオマーカーの臨床応用を目的とした有用性の確認の遅延が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降に、(1)GCTBの悪性度及びDenosumab治療反応性に関わる発現データベースの構築(タンパク質発現、mRNA発現、遺伝子変異、代謝産物発現)として、GCTBの生物学的な特徴をプロファイリングするために、更にDenosumab使用前・後の凍結手術検体セットを用い、GCTBの悪性度やDenosumab治療抵抗性に関連する因子の同定精度を高める。(2)GCTBの悪性度及びDenosumab治療反応性に関わる機能解析・ネットワーク解析: (1)のデータベースより同定されたGCTBの悪性度やDenosumab治療奏功性に関与する因子のネットワーク解析を引き続き進め、Denosumab奏効因子同定を進める。その後(3)国内外大規模検証によるバイオマーカーの臨床応用を目的とした有用性の確認を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は引き続き、(1)GCTBの悪性度及びDenosumab治療反応性に関わる発現データベースの構築を行ったが、検体が希少のため検体確保に時間を要した。最終的には タンパク質リスト統合的解析を進め、Denosumab奏効因子及び奏効遅延因子候補の同定に成功したが、(2)GCTBの悪性度及びDenosumab治療反応性に関わる機能解析・ネットワーク解析、(3)国内外大規模検証によるバイオマーカーの臨床応用を目的とした有用性の確認の遅延が生じているため、次年度使用額が生じた。
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