変形性膝関節症(膝OA)はいまだに病態が解明されておらず、膝OAの治療は疼痛緩和を目的とした対症療法しかなく、新たな治療法の確立が必要である。これまで前十字靭帯(ACL)の変性が膝OAに与える影響はほとんど解明されていなかったが、本研究により膝OAにおいてACLの変性の程度により、ACL自体の遺伝子発現が異なり、変性が強いACLでより炎症に関連するパスウェイが活性化されており、膝OAの進行に関与している可能性が示唆され、膝OAの病態解明に一歩近づくことができた。膝OAの原因が明らかとなれば治療法の開発につながる可能性があり、さらなる研究の成果が期待される。
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