研究実績の概要 |
次世代RNAシークエンスでTWIST1はヒトOA軟骨で高発現している事が示唆された。実際、OA軟骨組織では正常軟骨組織と比較して約10倍にTWIST1が発現上昇していることがqRT-PCRで検出された。ヒト軟骨細胞にIL-1b, TNFaのサイトカイン刺激をすることでTWIST1発現の上昇がqRT-PCR, western blotの両方で確認できた。TWIST1をヒト軟骨細胞に過剰発現させることで、幅広くMMPsの発現が誘導されたが、中でもMMP1, MMP3が効率に発現上昇していた。MMP1, MMP3プロモーターへの影響をルシフェラーゼアッセイで確認したところ、TWIST1はMMP1プロモーターへ結合し活性上昇させるが、MMP3プロモーターへの影響は観察されなかった。ヒト軟骨組織を用いた免疫染色ではOA軟骨では正常と比較して5hmCステータスの増加が見られたことから、ヒト不死化軟骨細胞株(TC28)にアデノウイルスを用いてTWIST1を過剰発現させると、MMP3プロモーターにおける5hmCステータスの上昇が確認できた。5hmCステータスはグルコシル化処理を加えてからメチル化特異的切断する制限酵素を用いて切断し、PCRで検出を行った。またヒト軟骨細胞ではTWIST1過剰発現させることでTET1, TET3の発現が上昇していた。TWIST1をTC28に恒常的に高発現させると、TET1の発現が著しく上昇する事が明らかになった。TET1, 2, 3 triple KO ES細胞からfibroblastを誘導し、TWIST1を、アデノウイルスを用いて発現誘導させると、TET triple KO 細胞ではMMP3の発現誘導が抑制された。
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