研究課題/領域番号 |
16K20076
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
小林 英介 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (40365292)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 免疫モニタリング / 肉腫 / MDSC |
研究実績の概要 |
本研究は、治療対象になる希少がんである肉腫患者に対して前向きに採血を行い、免疫モニタリングを行うことである。肉腫に対する標準治療として一般的に行われている手術や抗がん剤治療レジメンが、免疫機能に与える影響を解析することを目的とし、新規治療標的やバイオマーカーの探索を進めている。免疫機能が受ける影響に治療方法で差を認めることや、抗がん剤が免疫機能に与える影響に個体差があることを確認することで、新たな視点に基づく患者ごとに個別化した免疫療法や抗がん剤治療と免疫療法との併用療法の開発、さらには、肉腫における免疫系新規予後マーカーの開発にもつながることが期待している。最終的に本研究から得られた知見を臨床応用し,骨軟部肉腫患者の治療成績の向上に繋げたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までの進捗状況としては、肉腫対して標準的な治療(手術や化学療法)を受ける患者の末梢血105例を採取し、各患者において治療前1回、治療後2回の計3回の採血を採取した。それら末梢血検体にリンパ球分離液を用いて、遠心分離機にてPBMC(Peripheral blood mononuclear cells: 末梢血単核球)を分離し、多重染色法を用いたマルチカラー解析法のためのFlow cytometry(BD社 LSR Fortes X-20)を用いて解析を行った。現在まで、MDSC (Myeloid-derived suppressor cell:骨髄由来免疫抑制細胞) サブセットである単球系MDSCと顆粒球系MDSC及び樹状細胞(Dendritic Cell:DC)のサブセットであるMyeloid DCとPlasmacytoid DCについて解析を行った。単球系MDSC は、Lineage(CD3/CD16/CD19/CD20/CD56)-/ CD11b+/ CD33+/ HLA-DRlow/ CD14+/CD15low と、顆粒球系MDSC はLineage-/ CD11b+/ CD33+/ HLA-DRlow/ CD14-/ CD15+と定義し、Myeloid DC に関してはlineage-/ HLA-DR high/ CD11c+、Plasmacytic DC は、lineage-/HLA-DR high/CD123+と定義し解析を行った。105例のうち、高悪性度でかつ転移のない61例で予後に関しての解析を行った。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策として、現在までに採取し、凍結保存している末梢血検体を用いて、免疫担当関連細胞の解析を行う。具体的には、T・B・NK細胞のフェノタイプ・活性化マーカー、各種免疫チェックポイント分子発現を多重染色法を用いたマルチカラー解析法のためのFlow cytometry(BD社 LSR Fortes X-20)を用いて解析を行う。また、各症例の臨床情報との関連を解析し、上記のMDSCなどの免疫抑制細胞とT・B・NK細胞などの免疫関連担当発現との関連を解析し、治療効果や予後関連する免疫抑制細胞及び免疫担当関連細胞を進め、新規治療標的やバイオマーカー開発を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由 本年度は採取検体の処理、統計解析がメインであったことから、次年度以降のメインの解析でさらなる費用追加の可能性があるため。 使用計画 解析のための交代購入、発表費用、論文校正費用など
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