Natural killer(NK)細胞は、ヒトが生まれながら持つ抗癌免疫であり、体内の癌細胞を殺す作用を持つ。近年、癌手術を受ける患者のNK細胞を高く維持することで、患者の生存率が上げると考えられている。我々は、全身麻酔薬の一つであるケタミンのNK細胞活性への影響を明らかにするために、前立腺癌の手術を受けた患者を、全身麻酔としてケタミン投与を受けた患者と受けなかった患者に分け、NK細胞活性を比較した。結果、ケタミンは、NK細胞活性に影響を与えないことが分かった。ケタミンは、全身麻酔の質を上げることが分かっており、NK細胞活性に影響が無いなら、積極的に使用した方が良いことが示唆された。
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