慢性腎不全において、炎症性細胞からのサイトカイン産生が腎線維化の進行に関与することが報告されている。免疫の主座である胸腺には、Kv1.3チャネルが多数発現しているが、KV1.3チャネルが慢性腎不全の病態進行に寄与している可能性がある。 本研究では、抗ヒスタミン薬がKV1.3チャネルを阻害することで免疫抑制作用を発揮することことが明らかとなった。また、慢性腎不全の腎線維化には、KV1.3チャネルの過剰発現が関与し、病態の進行を促すことが考えられた。KV1.3チャネル阻害作用を持つ抗ヒスタミン薬が、慢性腎不全における抗線維化薬として有用となる可能性を秘めていることが示唆された。
|