研究成果の概要 |
本研究は慢性の神経障害性疼痛モデルにおける青斑核のグルタミン酸とGABAのバランスの変化に注目し、青斑核活動の変化と内因性鎮痛の発現との関連性を調査したものである。神経障害性疼痛モデルのSNLモデルの作成6週後には痛みにより誘発される内因性の鎮痛機構が消失する。この状態で青斑核内では痛みを受けてもグルタミン酸とGABAの変化はなく、内因性鎮痛が発動しないことが確認できた。また、脳由来神経栄養因子受容体のアゴニストである7,8-dihydroxyflavoneを5日間連日投与により青斑核の反応性が回復した。青斑核内で痛み刺激や薬剤に応じてGABAが減少することで相対的に興奮することが確認された。
|