アセトアミノフェンの作用機序はN-アシルフェノールアミン (AM404)が脳に移行し、TRPV1やCB1受容体を活性化することで鎮痛作用を発揮するとされている。一方、このTRPV1やCB1受容体は脳だけでなく痛覚伝導路である脊髄後角にも多く存在するが、これまでにアセトアミノフェンの脊髄後角における鎮痛作用を検討した報告はない。そこで我々は、行動学実験およびin vivo、in vitroパッチクランプ記録を用いた電気生理学実験を行い、アセトアミノフェンはAM404へ代謝された後、脊髄後角ニューロンのC線維終末のTRPV1受容体に作用し脊髄レベルで鎮痛作用を発揮することを明らかにした。
|