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2016 年度 実施状況報告書

シグマ1受容体の脊髄後角における鎮痛作用機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K20082
研究機関新潟大学

研究代表者

山本 豪  新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (40710463)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードシグマ1受容体 / デヒドロエピアンドロステロンサルフェート / 神経ステロイド / 痛覚伝達
研究実績の概要

シグマ1受容体は痛覚伝達に関わる受容体として近年注目され、そのアンタゴニストが新たな鎮痛薬になるのではないかと期待されているが、その作用機序はよくわかっていない。本研究では脊髄後角の痛覚伝達へのシグマ1受容体の関与を調べるものである。
平成28年度はラット脊髄横断スライス標本を用いてin vitro パッチクランプ記録による電気生理学的実験を行った。脊髄後角第Ⅱ層よりパッチクランプ記録を行い、シグマ1受容体の内因性リガンドと考えられている、デヒドロエピアンドロステロンサルフェート(DHEAS)を灌流投与した。
-70mVに電位を固定して記録できる微小興奮性シナプス後電流は、DHEASの灌流投与により頻度は増加し、振幅は増大した。これにシグマ1受容体アンタゴニストであるBD1047を同時灌流投与したところ、頻度の増加は抑制される傾向があり、振幅の増大は有意に抑制された。0mVに電位を固定して記録できる微小抑制性シナプス後電流は、DHEASの灌流投与により、振幅の減少をみとめたが、BD1047の同時灌流投与により拮抗された。
以上より、脊髄後角において、シグマ1受容体は興奮性ニューロンのシナプス前と後、抑制性ニューロンのシナプス後において痛覚伝達に関与していると考えられる。さらにシグマ1受容体の内因性リガンドであるDHEASの作用をシグマ1受容体アンタゴニストが拮抗できたため、シグマ1受容体アンタゴニストが脊髄後角において鎮痛作用を発揮する可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

シグマ1受容体の内因性リガンドであるデヒドロエピアンドロステロンサルフェートを用いたデータは集まったが、選択的なシグマ1受容体のリガンドとされるPRE-084を用いた研究はまだデータが不足している。

今後の研究の推進方策

電気生理学的実験がやや遅れているため、今年度は電気生理学に詳しい研究協力者に相談し、今後の研究を加速させていく予定である。
また29年度に予定していた免疫組織学的実験については、すでに条件設定の検討をはじめており、予定通り研究を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

シグマ1受容体アゴニストを使用した電気生理学的実験がやや遅れており、さらに免疫組織学的実験が始まったばかりであるため、28年度の使用額が少なくなった。

次年度使用額の使用計画

29年度中には遅れている分を含めて全ての実験を行うために、助成金を使用する予定である。

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公開日: 2018-01-16  

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