モルヒネ30nmol髄腔内投与によりマウスの痒み行動は増加し,脊髄後角では痛みや痒みと関連するMAPキナーゼのERK,p38のリン酸化が亢進することが確認できた.同時に脊髄後角Ⅰ・Ⅱ層およびDRGではヒスタミン非依存性痒み物質であるガストリン放出ペプチドの増加が免疫組織学により確認された.一方,セロトニン受容体の一つ5-HT3受容体拮抗薬オンダンセトロンの前投与及びセロトニン合成酵素阻害剤p-chrolophenylalanineの前投与により,モルヒネ髄腔内投与によるマウスの痒み行動は有意に抑制された.この結果,モルヒネによる痒みにセロトニン,特に5-HT3受容体の関与が示唆された.
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