研究課題
イソフルラン吸入による全身麻酔下にマウスの右側坐骨神経を半周結紮することによって、神経障害性疼痛モデルを作製した。Planter testおよびvon Frey testを用いて神経結紮手術7日後から熱痛覚過敏反応および機械的アロディニアが認められることを確認した。この神経障害性疼痛モデルに、全身麻酔下に脳波測定用ヘッドマウントを頭蓋骨にセメントで固定することで、無麻酔下に脳波を測定し、脳波解析ソフトSleep Signを用いて解析し睡眠状態を評価した。その結果、神経障害性疼痛モデルは覚醒期の増加、睡眠量の低下を認めた。さらに覚醒物質であるオレキシンの受容体拮抗薬であるDORA(Dual Orexine Receptor Antagonist)の投与を行い、神経障害性疼痛モデルの睡眠の改善が認められた。
2: おおむね順調に進展している
Seltzerらの方法に従った坐骨神経半周結紮の手術はすでに習得しているため、神経障害性疼痛モデルの作成は特に問題なく可能であった。熱痛覚過敏反応を評価するPlanter testおよび機械的アロディニアを評価するvon Frey testも特に問題なく施行できた。脳波測定用のヘッドマウント装着手術はすでに習得しているため、脳波測定による睡眠評価も問題なく施行できた。
睡眠量の低下を認めた神経障害性疼痛モデルについて、臨床的に痛みの治療薬および睡眠薬として用いられている薬物を投与し、睡眠量および睡眠の質に与える影響を評価する。
平成28年度は計画どおり研究を遂行することができた。当初計画より経費の使用が節約できたことにより未使用額が生じた。
特になし。
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Endocrinology
巻: 157(11) ページ: 4146-4157
10.1210/en.2016-1404